薬学検定試験の概要
・薬学検定試験とは?
薬学検定試験は、内閣府より認証を受けた NPO法人(日本セルフケア支援薬剤師センター)が主催する薬学を中心とした知識レベルを客観的に評価する試験です。 受験資格(受験制限)はなく、誰でも受験できます。
・試験の目的
薬学検定事務局によると、「薬学検定試験」の目的は国民の「セルフケア」、「セルフメディケーション」を支援することとあります。
「薬学検定試験」は合格者に対して医療従事者から薬学の正しい知識を提供する1つの手段であり、 薬学の知識レベルを客観的に評価する日本で唯一の試験です。
昨今、政府の医薬品販売の規制緩和に伴い、薬局で売られていた薬が薬剤師のいないコンビニ等の一般小売店で販売され始めています。
深夜や早朝の急な発熱や腹痛、下痢などの症状に対して応急措置が求められる緊急時に、身近で24時間営業、しかも年中無休のコンビニが こうした要求に応えることは医療の一環としてやはり必要であり、使用したい時にすぐに買いに行ける環境は重要です。
こういった状況の中、コンビニで販売されている薬の中から、消費者自らが、自分や家族の人の急性症状に 合った薬を"自分の力"で選び出すといった「セルフケア」「セルフメディケーション」を必然的に 経験するケースが増えてきます。
しかし、薬の間違った取扱いは薬害や健康被害を広げるおそれがあり、「どれを選べばいいの?」「副作用は?」といった疑問が起こることは、ごく自然なことであり、 この部分を改善していかないと「セルフケア」、「セルフメディケーション」は正しく進んでいきません。
したがって「セルフケア」「セルフメディケーション」が国民に正しく理解・実行され、効果的に進んでいくような環境作りが これから重要になってきます。
「薬学検定試験に合格する」という具体的な目標を持つことは、合格を目指して楽しみながら薬のことを学習でき、また効率よく正しい薬学知識を習得することができます。
今まで誤解していた薬の知識を改める機会にもなりますので、何かあっても薬によっていち早く健康を取り戻すことも可能となり、 健康被害(薬害)をも防止することができるようになるでしょう。
・参考例題
「答え( )」にマウスを乗せると解答が見えます。
問題1
化学構造的にはサリチル酸の系統に分類される非ステロイド抗炎症薬(NSAID)で、解熱鎮痛薬として使用される薬の成分は?
ヒント:鎮痛薬や解熱薬で喘息を起こしたことのある、いわゆるアスピリン喘息の人は飲んではいけない成分
問題2
嵐の大野智が出演するCMで紹介された、第二世代の抗ヒスタミン成分を使用することで眠気を誘発させないように処方されたアレルギー性鼻炎薬の名称は?
ヒント:こたえはカタカナ4文字→「○○○○FX」
・出題分野
★各級の合格ラインは80点です。
出題分野 | 1級 | 2級 | 3級 | 4級 | |
A分野 | 一般用医薬品(大衆薬、OTC薬、生活改善薬を含む)、医薬部外品、並びにサプリメントや、保健機能食品(特定保健用食品・栄養機能食品)の基本問題や、有効とされる成分の下記事項に関する問題。 ☆ 作用・効果(効能) ☆ 副作用 ☆ 使用上の注意(服薬指導) |
20問 | 20問 | 40問 | 40問 |
B分野 | 薬学を主とした医療用語に関する問題。 ☆ 4級・3級 : 基礎用語 ☆ 2級・1級 : 基礎用語+専門用語 |
20問 | 20問 | 10問 | 10問 |
C分野 | 疾患、特に生活習慣病の概略・予防・改善のための家庭医学的な問題など、薬学と関係する周辺分野の問題。 | 20問 | 20問 | 10問 | |
D分野 | 病院・診療所など実際の医療現場で使用される医療用医薬品において有効とされる成分の下記事項に関する問題 ☆ 作用・効果(効能) ☆ 副作用 ☆ 使用上の注意(服薬指導) |
20問 | 20問 | ||
E分野 | 食品と薬の飲み合わせや、薬同士の併用(相互作用)の問題、及び血液・尿検査(臨床検査)値の意味とその異常値に関係の深い疾患名に関する問題。 | 20問 | |||
100問 | 80問 | 60問 | 50問 |
・試験概要と受験申込み
試験の概要は下記の通りです。
詳しくは薬学検定事務局【受験要項】ページに記載があります。
(1) 1級〜4級の4段階あります。
(2) 問題は、多肢選択方式(5肢択一)の筆記試験(マークシート方式)です。
(3) 1級〜4級の試験が、年2回(6月・11月)行われます。
(4) 各級の設問数と試験時間は次のとおりです。<各級とも80%の正解率で合格!>
※併願は、2級と3級のみ可能です。(個人申込の場合)
(5) 試験会場エリア
東京・名古屋・大阪・福岡・札幌・仙台の6都市 で開催されます。
※ 団体受験(受験者10名以上必要)は国内どこでも可能
(6)受験料(個人申込の場合)
1級 : 7,800円
2級 : 6,800円
3級 : 5,800円
4級 : 4,800円
2級+3級:12,600円
(7) 受験料のお支払方法
1.銀行振込
2.郵便振替
3.特約書店での払い込み
※一度入金された受験料は、いかなる理由でも返金できないらしい。
また次の試験に振り替えることもできないとのこと。
(8) 受験票の発送
受験票および試験会場の案内図は、受験日の1〜2週間前に発送。
また、詳しい受験の申込み方法は薬学検定事務局【受験申込み】ページをご参照ください。